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尾道つばめ堂の始まり

 ― 武内城継が建てた「燕屋敷(つばめやしき)」の物語 ―

今からおよそ百年前の明治末期。地歌箏曲家として名を馳せた 武内城継(たけうち しろつぐ) は、

「音とともに生きるための家」を尾道に建てました。

それが、現在の「尾道つばめ堂」の前身である 燕屋敷(つばめやしき) です。

 

幼くして視力を失った城継は、海鳴りや鐘の音、風のざわめきの中に“世界のかたち”を見ていました。

「音の家を建てたい」──その願いから、尾道・土堂町に一軒の屋敷が生まれます。

 

「燕のように、春には帰り、秋には旅立つ人の羽を休める場所であれ」

 

そう語った城継は、この家を「燕屋敷」と名づけ、瀬戸内を往来する旅人や弟子たちを迎え入れたといいます。

 

南面の縁側からは、海に浮かぶ島々と帆船の往来が見渡せ、潮風とともに届く船笛や人の声が、

彼の琴の音に溶け込んでいきました。

 

──そして百年の時を経て。

かつての「燕屋敷」は、お宿「尾道つばめ堂」として再び息づきます。

古き梁と格子戸はそのままに、この地に流れ続ける“音”と“ぬくもり”を大切に受け継ぎながら。

 

旅人が羽を休め、また新たな空へと飛び立つ──

2025年12月、お宿「尾道つばめ堂」の新しい物語が始まります。

明治の梁

・1912年(明治45年)建物を建築
・1925年(大正14年)「つばめ堂」菓子店創業
・その後、菓子卸卸業・イベント業へと発展
​・令和の今、宿泊施設「尾道つばめ堂」として再生

明治の梁
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